タイトル:紅巾乱戦勃発 30

そして、益州に反乱の炎が燃え上がった。これが分かった瞬間、雲南州の昆明では、『大波』政府の政策を一斉に批判する勢力が大規模な集会を開き、その集会を開いた後、大規模な抗議デモを行ったのである。
これによって、多くの人々は燃え上がった炎に油を注いだ、ゆえに、このことについて混迷では事態を新古奥に受け取らなければならなくなったのである。
そういう悪いときに、一美は来たのである。タイミングの悪さなのかはわからない。しかし、今度の事態は、どうこう言えるようなものではなさそうで、一美たちは、待たされても仕方がないと、自然に思うようになっていた。
それも、深刻な、それも、自然発生したものをどうこうなだめるなど不可能に近かったのであるから、それをどうこう言うことはできるかは分からないが、一美にとってみれば、中華に変革の波が吹き荒れているのと感じ取っていた。
雲南州の州都昆明、このよき日和であるにもかかわらず、昆明では抗議活動が、続いていたのである。
ものすごいシュプレキコールが、あたりに響く、
「これは戦争だ。彼らも戦いに巻き込まれるかもしれない。それも、これで2度目と言う事になる。」
と一美が謎の言葉を口にした。なぜ2度目なのか、理由は、故郷の益州での予期せぬ反乱。そして、雲南州での講義の嵐。そう、短期間に宗弘たちは2度反乱を目撃したのである。
それにおいて、彼らの心理状態は最悪に等しいだろう。それだが、なぜか、このような事態を経験しているのか、それを、彼らは体で感じ取っていた。
おそらくだが、中華に新たな風を吹かせる、と言う人々の意思の表れであり、それに自分たちの国を守ると言う主張を押しのけている事に他ならなかったのである。
それを感じているので、自分たちは何とかしたいと言うのだが、それは無理な話であって、彼らの意見を聞くのが先であると、宗弘は考えていた。
その時に、一美は来たのである。
「おそらく、待たされるかもしれない。その時は、その時で、気長に待とう。」
一美は多くの者たちに、そう伝え、待ってみる事にした。それは、彼らの話をどうしても聞きたいと言う事のみに集中しただけではなく、この場所で、多くの情報を得ようと言う、策が働いたからであった。
それで、一美たちは、いち早く下見を兼ねて、雲南州の州都昆明を探索すると言う事であった。今、宗弘と会うのは危険であると思える。
そこで、一美はその周辺を歩いて回り、商人の様子を探る事にした。つまり、商人から人々の動きや政治の動きを知ることが大事だと考えたのである。
商いを行う者にとって、時勢を掴むのは大切な事であり、それによって、国を動かしたこともあるくらいだ。だからこそ、商人の様子が、国内の状況をみる上で重要になってくるのである。
一美は、その中で、相手の話を一言一句漏らさずに聞いてみた。とある商人は、イスラム系らしく、ターバンを巻いている。
その男が言うには、この雲南州において多くの商人が、取引を行っているのだが、それでも、不平や不満を言う者たちは増えていると聞くのである。
そこにいても、イスラム教を信じる商人ですら、自分たちと同じ宗教を信仰する『大波』のやり方には、はっきりと、不快感を示しているのである。それがどうであれ、彼らには、中華族から白い目で見られるのは事実であり、罵声を浴びせられる事が多かった。故に、この事態を異常だと考えているのも分かるような気がした。
一美の考えを察して、クリフも優香も、できるだけ聞き耳を立てるようにした。
「それで、どう言った所が変わったのです?」
聞いてみると商人は、
「それは、多くの所に残っておりますよ。あれやこれやで多くの人々から後ろ指さされますし、ここは貿易都市ですから、と言いましても山間貿易都市ですから、この事態を、どう考えるべきか、私たちには分からないばかりです。あなたは、どう感じているのですか?」
と逆に聞かれたのであるが、
「私たちの場合も、同じかもしれませぬ。おそらく、逆ですが、私たちにも分からないものです。」
と答えた。
そのほかの商人からも、
「分かりませぬ。」
と答える人が多かった。
それゆえ、一美たちは、多くの人と会った。そして、経済学者など会っていたのである。それも、一つ言えば、彼らも、世の中の動きをみる上で、重要だったのである。
それが、一美たちの考え方であり、団員にも伝わっていたのである。要は情報が、命と言う事である。

その頃、どうしようと宗弘たちは議論を続けてきた。しかし、まるで小田原評定のような状態である。これはいけないと言う事で、宗弘は会議を一旦止めたのである。
その為に、智光は街角を歩き始めた。そしてふとある所にいた。そして、そこに少女の影を見つけたのである。
少女は、振り返った。その美しさに思わず胸がときめいた。その少女は、彼に気付いた。誰だろうか、そう彼は考えた。
近づいてくる。近づいてきた少女は、智光と認識して、挨拶をした。名前を聞きたくなってきた。
「飛鳥智光さんですね。」
いきなり、相手から自分の名前を言われて、思わず頷く、
「私は、北田一美と申します。」
美しい少女は、そう名乗った。
「どうしてなのか分かりませんが、何が目的で?」
一美は、驚いた顔をしたのであるが、
「それは、宗弘殿に会いに来たのです。彼は、この雲南州の長です。それで、あなたは、その人に会える立場です。それゆえ、あなたは、それに近い立場にいます。だからこそ、あなたを通して、お会いしたいのです。お願いします。」
彼は話を聞くと、驚いたのである。それもそのはず、この人は、何の証拠があって、彼女は会おうと思ったのであろうか、それが聞きたかったのである。
「それは一体どう言う事か、お聞きしたいのですが。」
それを話してみたかった。智光は、周りを見渡し、そこから、近くに飲食店があるかを確認して、喫茶店に入ったのである。
「ここで、話すのは危険です。監視の者たちが見ています。」
と智光は、話した。
「なら、なるべく奥の席が、よいでしょう。ないなら、隠しましょう。」
一美は、そう言って、一番奥の側にあるテーブル席を見て言った。
「あすこなら、大丈夫でしょう。」
と智光は、額に汗をぬぐいながら、応対をする。
たまたま、運が良く、一番奥の席が、空いていた。ここなら話ができそうだ。
「それで聞きますが、我々に会いに来たのは何でしょうか?」
と一美に聞く、すると、
「雲南州は、今、財政が火の車に近い状態にあると言った情報があります。しかし、益州で起きた『紅巾』軍の反乱は、だれしもが予想できなかったとは言えないでしょう。だからこそ、我々は、この状況がいかなることになるかを、考え続けております。もしかして、私たちの考え方が、この国を、変える事につながると思います。」
と言葉を切ると、続けて、
「我々は、この一連の事件を、時代の転換点ではないかと考えています。その点、あなた達はどうなると考えているのかを聞きたく、お話を聞きに来たのです。」
一美の言葉に、智光は体が動かない感覚を覚えた。時代の転換点…、多くの人からはめったに聞けない言葉だった。また、頭も混乱し、どうして良いのか分からなかった。

この記事へのコメント