タイトル:『紅巾』軍との対決 27

その頃、隣のコリアン半島では、騒乱が終わったのを機に、人々の生活を立て直す事業が、行われるようになっていた。その中で特に、張氏が特に権力を握っていた。
「今回の事態は、我々が想像していたよりも、ひどい事になっている。宋氏と崔氏などが反乱を起こして以来、国土が荒れてしまっている。これでは、民の不満を抑えきるのは無理がある。」
そう、『高麗』では、「木浦の乱」前後からの深刻な不況と、それに伴う食糧危機などで、暴動が頻発し、そのほかにも、商人たちを襲ったりするなど、混乱した状態に入っていた。
「それよりも、この事態を一体どうするか、我々は考えなければならない。」
張釜亜は、そのように考えていた。
「確かに、釜亜の言うとおり、この国を如何にして立て直すのか、それが問題になる。だが、国民の理解を求めながら進まねばならない。」
と兄の張釜孫だった。確かに、その通りだ。
「確かに釜孫兄様のおっしゃる通りです。民の意見を求める事が大切です。だから、それに、貿易に関しては、気になる所です。広州は反乱軍の支援に回っていたと言う話があったとか、ですが、彼らは本当に、反乱軍を支援できる力を持っていたのでしょうか?」
その疑問は、ぬぐいきれない。それに、気になる事がある。
「それは、次の事だ。京畿道などでは、我々がしっかりと、政治を行っているのにもかかわらず、地方には恩恵が行き届いていないと言われている。これは、家臣たちが如何にして、この制度を、人々に伝えているのか、それとも何者かが、ねつ造して対立をあおろうとしているのか…。」
それが分かれば、苦労をするはずがない。と言おうとしたが、それを飲み込んでいた。
「それはそうだと思うが、…我々も、民衆を抑えるのに苦労をしておる。」
と恰幅の良い男性が、屋敷に入ってくる。
「誰かと思えば、宗濡葆殿ではござらぬか。」
実は、今回の政権を担っている人物の一人に、宗濡葆がいて、大臣クラスを歴任する事になったと、連絡も兼ねて、この場所を訪れたのである。
「そうですか、ですが、まだ、今国民の多くが、今わが国がおかれている状況を知って、反乱をおこすかもしれない中ですが…。」
釜亜が気になる事を言い出した。それに濡葆は、
「それは、そうかと言われてしまうと、私にはわかりません。それでも、国王は、我々の考えに対してどう言った結論を出すかを考えているはずですよ。それが、おそらく国王の下す結論となることは間違いないと、私には思えます。」
つまり、政権を任命できる国王の指示を待とうと言うものであった。
だが、事は一刻を争うものであり、彼らがどう言った形で、この事態を乗り切るのか、それは、隣国からも注目の目で見られていたのである。特に、一番となりの日本では、『高麗』の動向に注目しながら、政策の転換を図ろうとしていた。それで、民衆には、一体どう言う反応があったのかと言うと…。
一方、『高麗』の民は、このような政治に見切りをつけていた。第一、自分たちを酷使するまで酷使した大波王朝には、はっきり言うと、恨みさえ持っていたのである。
「けっ、どうせ俺らは、漢江に漂う河童のようなものだ。」
という口癖みたいなものが、流行語としてはやっていたようである。つまりそれほど、経済状態は悲観的になってしまうほど悪化したのである。
事態を重く見た『高麗』政府は経済政策の転換を決定し、経済活性化策を、打ち出して言ったのである。それでも、コリアの民は経済的な障害を克服できずに、すごさなければならなかった。それが、この『高麗』を滅ぼす大きな要因となっていた。

そのほか、コリア半島の地方部、特に全羅南道一帯は、壊滅的な被害をこうむっていた。それはどう言う事かと言えば、宋朱蒙を含む宋家が代々、治めていた土地がこの全羅南道であった。すなわち全羅南道が主戦場だったのだから、被害が少ないとは言い切れない。だから、この被害の大きかった道全体を、如何に復興させるか、それが問題として挙がってきた。だから、何もしないと言うわけにはいかなくなったのであった。
「ナウリ(旦那)、景気はどうかい?」
と声をかける人物がいた。
「ああ、悪い方に傾いておるわ。このままでは、就職できない若者が増える可能性が高い。たぶん、若者の就職率は下がり、失業率が逆に上がる。故に、これでは、この『高麗』は、一体どうなるのやら、見えてこない。」
と言うしかなかった。
だからと言って、手をこまねいているわけにはいかない。それに、多くの国家が経済政策を打ち出せない中で、経済破綻を起こしたと言った例もあったからだ。
それに、今の『高麗』が、そう言った事態に見舞われている事を多くの国民は、次のように述べたと言われている。
「この国には『未来』と、『希望』がございません。我々はその日暮らしの状態にあります。大監達は、我々の暮らしを語らない事が多い。だからこそ、我々はおいてけぼりをくらう。だから、だからと言って、我々が何もなげいてはいけない。だから、我々は、生きていく為に、商売を続けないと生きていけない。それゆえ、この国を再び豊かにしてください。これは多くの民の願いです!」
と、彼らの叫びそのものだったからである。
それを政府は聞いていたのだろうか、それがどうかは分からない。だが、確実に良い方向には向かいない事は、彼らとて認識しているはずである。
だとしても、それを聞いている人材は、少ないと言えるべきであり、多くはその事に耳を貸さなかった。商人たちの腐敗、談合などに因り、商品の売買に不公平感が出てしまっている。米などの雑穀類を含んだ食料品に関しては、その不公平感が最も顕著に表れている。
それが、再び、コリアを大きな混乱が起ころうとしていた。

広州では、蝶子の元に、一美達が通っていた。その理由は遊郭で遊ぶのとは少し違い、蝶子を含めた花魁の中から、よりよい人材を探すと言う事になる。その為に通っていたのである。
花魁の働いている遊郭一体に、ローラー作戦と言うような形で、探しているのである。他にも男性などの人材も探しているのである。それで、蝶子の元にやってきたのである。
「人材探しは、骨が折れるものよ。」
と一美は、ため息をつきながらも、蝶子の部屋にいた。体をほぐしながら、愚痴をこぼしていた。
「大変ですね。私たちの中から、探し出すのは難しいですものね。ですが、新しい国家を造る上で必要な人材を探すのは、大事だと思います。私も、お手伝いさせていただきたいと思います。」
と、蝶子は名乗り出た。もともと、禿時代にお世話になった人たちに、声をかけようと手紙を認めていたのである。
それを、禿となっている鈴が、その手紙を集めてきたのである。
「『胡蝶』姉さん、お手紙がたくさん届いてありんす。」
と、蝶子に述べた。さらに、炊事関係で、就職していた小春からも、多くの書状を持ってきた。
「『胡蝶』さん、お手紙がたくさん届いていますよ。アレ? そちらのお方は?」
小春は、一美とは初対面みたいで、一美はお辞儀をし、
「北田商団行主(ヘンス)北田一美と申します。」
と名乗った為に、小春は堅くなっていた。そこで、蝶子は機転を利かせて、
「私の友達だよ。」
と言い。それを聞いた小春は、一気にふやけた感じで、にっこりと、笑顔で答えていた。
「自己紹介はとにかく、今は、書状を手分けして詠む事にしよう。それでいいね?」
と一美が号令をかけ、すぐに書状を拝読し始めた。
まず書状の数が多い、ここ最近、一美達と蝶子達が読み始めたのが、企業からのお客様が接待で訪れた時に、もらった名刺をもとに、人材に関する手紙を認めていた事に関する、返事であった。それよ読み返す時間が短いようで長いように、一美たちには感じていた。

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