タイトル:『紅巾』軍との対決 29

その頃、クリフと小春、優香は3通目の手紙の主に、会う為にあるいた。実際には茜と一美の組みの中間地点にいる。ダウンタウンにいたのである。
「この封書だな、これに、書かれている住所を探せばよいのだね?」
と優香は聞く、それに、クリフは反応を示し、
「その通り、ここだ。」
次の大きな通りが、3通目の手紙の主の居住している場所である。そこに、足を伸ばしてきた。そして、ある人物が迎えに来ていた。
「この人だな。3人目の手紙の主だ。この人に会ってみよう。彼の名前は、確か、紀伊国屋新右衛門と言う人物だったはずだ。」
そして、店の名前は、かんきつ類を扱う「紀伊国屋」と言う豪商であった。その豪商たちの中では、一番の若手であり、彼こそが、この国のありようをよくわかっているように書いていた。
「とにかく、その人物に会ってみよう。どう言う考え方をしているのか、いかなる考えを持っているのか、それが我々にとっては気になる所だ。」
とクリフは、気になる事を述べてみた。確かに、この紀伊国屋の旦那が、如何にして、この閉塞状況を打開していくかが、今の人々には求めていると考えていた。
「お初にお目に掛ります。紀伊国屋の当主、新右衛門安信と申します。今回はお目に書かれて喜んでおります。それで、話は、人材をお求めになっている事についてでしょう。」
と聞いてきた。
確かにその通りだった。ここまで訪ねてくるのだとしたら、そう考えてみるのが筋である。それでどう言った人材がほしいのか、それについても聞きたいところだと、そう言った顔をしていた。
「確かに、あなたの申し上げるとおりです。私たちは人材を求めてきたのです。それでですが、紀伊国屋様の関係する先で、良い人材とかがいらっしゃられるのかどうかを、聞きたいのですが…。」
だからと言って、彼らは一体何をするのかを分かっていて、言っているのだろうか、新右衛門には、それが気になってしまった。
「確かに、我々の場所にも、そう言った人物に関してはいると思いますが、それを多方面に広げて、何を為されるのかが、私たちにはよくわかりません。故に、その事を聞かれても、私たちは答えにくいと考えてよろしいのではないでしょうかそう?」
そう、その目的が分からなければ、彼らにはどう答えてよいか分からない。それに気づかなければ、何を提案したらよいのかが分からない。どちらにしても、最初の一歩を踏み出さなければ、意味がないと言う事になる。クリフは、
「御殿は、今回人材を求めている大きな理由は、防衛面での強化を目指し、そして、これから起こると推測しております大波騒乱に乗じて、国を起こす為の、人材の確保と言った事が理由です。」
と答えた。これを受けた新右衛門は、
「そうですか…それなら、あなた達のおっしゃりたい事は、分かりました。続いて、おそらく、動乱の時期が来ると一美様は感じているのではないでしょうか?」
と逆に質問をする。一美はそこまで考えていたのか、または、新右衛門の言うとおり、感じているのか。どちらにしても、一美の頭の中には、それが渦巻いていると見てよいのであろう。それに、その事を見越して、兵士たちを集めているのは間違いない。それに、一美自身も覚悟は決めているとすれば、どうだろうか。それが、一美たちの果たそうとしている事なのではないか。と新右衛門は訴えたかった。
クリフは、
「確かにその通りだと思います。私も、一美様の家臣として、そして友としても、その考えをもとにして、進むべき道を見つけているはずです。それが出来なければ、一美様も、それに関しての話には乗らないでしょう。」
と答えた。その答えを受けた新右衛門は、
「そうですか、あなたが仕えているお方は、新しい道を切り開くかもしれませぬ。それは、あなた方の考え方も超えて、全てを変えようとする事になるかもしれません。」
と一美のとてつもないエネルギーが、一体何を与えるのかを考え、それが、多くの世界にどのような影響を与えるのかを考えながら、一美の成し遂げようとする事に協力したいと言う意思を示した。

そんな形で、一美は書状の差出人と会って、これからの時代の流れがどうなるかについてなどを聞いていた。
「結局、今ある時代の流れから想像して、この『大波』に対する人々の信頼は、崩壊していると言われている。それに、人々は、多額の借金も1人1人に背負わされている状況だ。」
実は累積赤字が、総計して金500億オンス(金は1オンス当たり、アメリカでは13500ドルに相当している)の借金があった。それで、その借金で借金を埋めると言う事を『大波』政府はやらなければならなかったのである。
「それより、多くの意見があったなぁ。いい人材についての知識を多く持っている人の場合、自分自身の事は良いので、部下たちを紹介してくださり、その方達に全てを託そうとしている方が多い。また、この国をどのように動かそうとしているのか、私の考え方を聞こうとしている人もおる。まだ中華族も捨てたものではない。」
と一美は、蝶子に感想を話していた。また蝶子も、
「確かに、私たちはいろいろと教えてもらったような気がしますね。私たちには、まだまだ知らない事がたくさんあるような気がします。」
と一美に話を合わせた。今の中華に関しては、多くの中華民族が、自分たちの子孫の世代まで意識して、物事を見ようとしている。だからこそ、このように、一美たちの考えに興味を持つ者、協力を求める者があらわれたと言ってもよかったのである。
「これからは、こう言った人たちをいかに取り込むかにかかってくるだろう。それが、今後の我々にとって、大きな財産になるかもしれない。」
と一美は、この出会いが、時代を代える上で必要になるかもしれないと、考えるようになっていた。
ただ、このような行為を行っているのが、如何に危険なのか、それは両人とも周知していた事であり、一美の命を狙う者たちが、いないとは限らないと、護衛たちに忠告を与えていたのもまた事実だった。
「一美様。私はこの間まで、一美様と同じ教室で机を並べて座っていた仲でした。しかし私は、間違った道に踏み込んでしまい。体をけがらわしい布で覆い隠してしまいました…。」
それが罪ならば、と一美は、
「蝶子、それを言うなら、私も罪を犯した事がある。」
と告白をした。
「それは、どう言う罪でしょうか?」
と蝶子が興味を示してきた。一美の重くなった口が、ゆっくりと開く、いまだに、心に残った罪を、吐き出そうとしていた。
「私の体には龍が宿っている。その龍を引き出す為に、軍師殿は、体に暗示をかけた。その為に、私の体にはその時から『男』の感覚が宿ってしまい。その感覚を引きずってしまった。軍師殿は私に『光の契約』と共に、その体を差し出してしまわれた。」
蝶子には、一美の遠回しの表現が理解できた。同じような事を生業としている蝶子にとっては普通の事だったからだ。
「それ以外にも、2人に私は精を出してしまい。龍を与えてしまった。」
それが、どうしてなのか、
「でも、私を助けてくださったラフェリア様と、霞様は、あなたを信頼して、あなたのやろうとしている事を応援しているのではありませぬか? あなたにとっては罪かもしれませんが、あの方たちにとっては、一美様に罰を与えようなどとは思っていないと思いますよ。」
と蝶子は、一美にそう述べた。
「ありがとう。蝶子。」
と笑顔になった一美だが、その次の瞬間、一美の顔が変わって、あたりを見回す。何かの視線が届いたようで、殺意のあるような香りが漂っていた。
「蝶子、そなたはここを離れてくれぬか。敵が私を取り囲んでおる。危険な目にあうかもしれん。」
とその顔を蝶子に移して、裏路地にでも隠れておくようにと、促していた。と、そこに、上空から2人の女性が現れた神名静流と紗奈の2人が、護衛として駆け付けてくれたのである。
「静流に紗奈、軍師殿から命を受けてきたのか?」
と一美が聞くと、静流が頷いて、
「帰り道に、襲われるかもしれないから、一美様を守るようにと仰られたそうです。それに、地上には、風霧殿が待機してくれております。」
と答えた。
一美は、風霧零と合流し、相手を待つ事にした。紫色の髪をした一美より一つ年下の少女が、風霧零と呼ばれる女性であり、一美と同じく件には相当の自信があった。零と凛と一美で敵を迎え撃つ事となった。
まず、一撃がどこから来るのか、それが全く分からない。
「来たぞ!」
と静流が叫び、一美は剣を構え、零は刀を構えた。そして、一美の方に向かって、1人の刺客が刀を振り下ろしていた。その攻撃を一美はよけて、剣を振り下ろした。切りつけられた相手は、のけぞってしまい。その場で倒れた。
その後、攻撃してくるが、なんだかお粗末ではないかと、一美には見えて仕方がなかった。おそらく頭がどこかにいる。一美はそう見当をつけて、頭の姿を探した。
剣を構えている人物が、一美を見つけると一目散に、一美の方角に攻めてくる。そう、その男が頭だと一美は直感し、すぐに剣を構えて、一歩踏み出した。すると、そのまま飛び上がり、その剣を振り下ろした。そして放たれた光によって、頭の男は、見事に真中で裂け目が出来たかのような、傷が入り、そのまま地面に倒れた。
「怪我はないか。」
と、凛、静流達を気にかけていた。そして、蝶子についても、無事だろうかと、そわそわと外を見渡して、姿を探した。

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