タイトル:『紅巾』軍との対決 33

一美の体力などが元に戻っても、一美は人事探索を続けていた。もう時間がないと一美は考えていたのである。それは自分の命ではなく、この土地が他の勢力に入り込むのではないかという焦りそのものがあったのである。だから一美は人材を多くかき集めていたのであった。
一美は、夜も街中を歩き回っていた。月は11月には言っていて、もうそろそろ、年末が近づくころだろう。だが、そうも言ってはいられない。
「これから、どうする。このままでは、人材が集まらず…、ああ、どうすればよいのだ。」
そこに、ある少女が、歩いてきた。その女性から、一美は何かを感じ取って、無意識に身構えていた。一美の構えに、その女性は驚いた。しかし、その構えを解き、敵意がない事を示して、その女性を安心させた。
「申し訳ありませんでした。最近物騒なもので、私一人であったとしても、常に周りを経過していなければならないから、反応をしてしまったのです。」
一美は、そう言って、その女性に詫びたのである。
「私は、ここで夜鷹をやっているもので…。」
聞きなれぬ言葉を、その女性は発していた「夜鷹」とは、この「夜鷹」とは、普通の花魁とかは『花鳥風月』と言った売春宿、いわゆる、現在で言うラブホテルの事を指すが、そこで、活動するのが花魁たちで、その売春宿に入らず、路上で売春行為を行う女性の事を「夜鷹」と呼んでいた。
この女性も夜鷹の1人だった。
「それより、お姉さんは、何時からここをほっつき歩いているのです?」
それを聞かれて、一美は、
「今まで、ずっと。」
とその女性に謎の言葉をかけた。
「今までずっととは?」
当然、質問をしてくる。だが、
「私たちは、この場所を現場拠点にして、多くの人材を集めています。だからこそ、あなたに出会えたのも何かの縁だと、そう考えております。」
縁結びか…と女性は、考え込む。
「それには私と会っても…、御利益とかがあるとお思いですか?」
と聞く、確かにそうですねと、一美は返そうと思ったが、
「御利益があるのかは、分かりません。しかし、今のままでは、この国は長く持ちません。だからこそ、私は、この出会いを大切にしようと思います。」
と答えた。それに、その女性は、
「そうですか、私も、世間知らずですが、何かお役に立てるような事があれば、私も、その仲間に加わらせてください。」
とその女性は、一美に、そう述べた。
「それは、私としても同じ事です。私は、北田一美と申します。これからも宜しくお願いします。」
それに対して、女性の方は、
「私の名前は、琥珀、これからも、よろしくお願いします。」
と名乗った。名前は琥珀か…、そう思った瞬間、琥珀の方で、甲高い悲鳴が上がった。
何が起きたのか、一美はそちらの方角に足を向けた。
「琥珀が襲われていると言う事か?」
とっさに、疑問を口にしたのも仕方のない事であった。
「そうか、相手が誰か分かれば、戦えるのだが。」
相手は、相当な数である。そこに、2人の女子高生と、男子校性が長い槍のような棒を手に、周りで刀を構えている男たちと互角な勝負をしている。
その中に、一美も加わり、琥珀を守る為に、剣を現すと、4人の囲みを越えて、1人の男を足蹴りで吹き飛ばし、剣を構えた。
「お武家さま、嫌がっている女性を強引に、引きずり込むことはしてはなりませぬぞ。これでは、家紋に傷が付きまする。」
と挑発していたのである。
それに対して、「お武家さま」と呼ばれた男たちは、刀を一美の方向に向けた。一美は、身構える。しかし、剣は構えない。それが却って男たちの油断を誘ったのである。にやりと一美は、笑みを浮かべると、相手は、斬りかかってきた。
それをよけきると、一美はすぐに、剣を素早く出して、もう一人の切りかかってきた相手の攻撃を防ぐ、さらに、その相手に対して剣の塚で打撃を加え、その直後、後ろから、斬りかかる相手に対しての攻撃を防いだ。だが、彼らを指揮している頭が、一体誰なのか。誰の命令を受けて、琥珀を狙うのか、それ以上に、琥珀を誰かと間違えているのではないか、それを考えていくと、一美はある事をやってみようと、一美は、考えていた。
「そこの2人、琥珀を護衛しながら走れ!」
と琥珀の近くにいた、男性の一人と、女性の1人に声をかけていた。
その2人と、一美は、その2人に指示した時、其の3人以外に、新たな3人の刺客が送り込まれた。だが、目的が異なっているようで、狙っているのは、琥珀のようである。
(そうか、彼らが狙っているのは、琥珀であり、なぜ、琥珀が狙われているのか、それが何かがあったら、分かればよいのだが…。)
だからと言って、それを聞くわけにもいかない。それに、戦闘中の中では、聞く暇はないので、推定するしかなかった。どうすればよいか、何かを目撃したのではないのか、それが分かれば、琥珀の狙われる理由になるのではないのか、それを確信して、一美は、琥珀を守る為に、戦った。
「お前たちも、命が惜しいとは思わぬのかのぉ。」
と男性の声が聞こえた。おそらく、琥珀を襲った頭の可能性は強い。
「私は、何もしていない。それなのに、狙われる理由があるのです?」
と琥珀が言い返す。それに男は、
「分かっているだろう。この目で見たのだ。我々の取引を見たのではないのか?」
取引、それを見たのだと男は言っているようだ。
「なんだか知らないが、お武家さんには、何が取引なのか、全く分からないよ。」
と言い返す。
しかし、一美は記憶の片隅にあったある事を思い出した。それは、広州で麻薬のコカイン、ヘロインが密売業者から密売をされて、その密売業者と接点を持っている官僚に、賄賂を渡していた。と言う記事を詠んだのである。
「それに、クスリも見たと言うそうだな。」
と別の男性が、問質す。しかし、確か護衛の2人は、どうしたのだろうかと、一美は、そっと覗きこむように、2人とも、二の腕に傷を負っていたが、死なせてはいなかった。
一美は意を決し、剣を取りだして、それを水平に構えた。そして、その先に光を貯めて、刀を突き付けている男の左二の腕に、かすらせるようにして一撃を発射したのである。
その男が、バランスを崩して倒れると、周りに動揺が広がった。
「何が起こったのだ?」
と慌てふためいた。それに、男性を守るようにして、売った方向を見定める。彼は、監視官僚の1人であると、一美はその行動を見て確信し、ついに、勝負しようと考えたのである。それで、もう一人の剣を突き付けた男性にも、二の腕を狙って撃ち、そして、周りにいた護衛の者たちを3連弾で見事に倒して見せた。
「何者だ!」
と頭は、言おうとする。
「そなたこそ、何者だ! 夜鷹を殺そうとするのは、よほどの物事を見られたとしか言いようがない。しかも、薬物の、つまり、コカイン系とかヘロイン系を持ってきた可能性は十分考えられる。それに、そのボスはお前さんではないはずだ。お前さんの裏には、おそらく巨大なボスがいるはずで、そのボスは、監視官僚の最高位にいる人物だろう。」
と口にした。あくまで推測だが、それは的を射ていたものだった。
「やはり、話していたのか、ならし方がない。やれっ!」
しかし、刀を構えた男たちの顔が、少しおびえている。すでに、護衛の数人が倒れており、そのうち2人は、刀を持てなくなっていた。
「ならば、儂がっ!」
と男性は、刀を構えて、斬りかかる。しかし、一美は、刀を盾にした鞘で受け止める。そして、それ外して切りかかるも、当たらない。むしろ、曲芸のようだ。
その次の瞬間、一美の放った一撃で全てが決まり、男性は、倒れて地に伏した。

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