夏草や…

本日から、歴史ものの再開と相成りました。今回の特集は、震災に関しての事で、話を始めてみようと考えておりましたが、急遽入ったお話から、
 
一昨日に、小笠原諸島が世界自然遺産に登録されたと言うニュースが、日本中を駆け抜けたのも記憶に新しいですが、本日の話は小笠原諸島ではなく、平泉が世界遺産に登録されたことについての話題です。
 
この話に入る前に前座として、こんな話をしてみます。お付き合いください。本年から18年前に大河ドラマに「炎立つ」と言う東北地方を舞台とした歴史絵巻がテレビで放映されていました。主人公は、奥州藤原家の当主、演じていた人たちも豪華絢爛だった事を覚えております(主演:渡辺謙{藤原経清・藤原泰衡}さん、村上弘明{藤原清衡}さん、渡瀬恒彦さん[藤原秀衡}、豊川悦治さん{清原家衡}ほか豪華メンバーだったそうです。里見光太郎さんも出演しておりました)。
この大河ドラマで、奥州藤原氏の根拠地となるのが平泉です。
繁栄の礎を築いた当主藤原清衡(「炎立つ」では村上弘明さんが演じています)が、奥州藤原氏の根拠地として、建設した一大都市でした。
 
それから、今回の話を進める前に、Kさんのタイトルで「夏草や 兵どもが 夢の跡」と松尾芭蕉は、俳句に詠んでおります。実は、その句を収めている『奥の細道』で、その当時の平泉を次のように、描写しております。
彼自身が、平泉に逗留した時(元禄2(1689)年旧暦5月13日)、その荒廃を見て、漢詩の1節を思い起こしたと記しております。その漢詩とは、
 
国破れて山河あり 城春にして草青みたり
 
と、これは、杜甫の「春望」の一説です。原文は、
 
国破れて山河あり 城春にして草茂し 
時に感じては花にも涙を注ぎ 別れを恨みては鳥にも心を驚かす
烽火は三月に連なり 家書万金に当たる
白頭掻けばさらに短く すべてを真に耐えざらんと欲す
です。訳すと、
国は敗れても見なれる山や川は変わらない 城壁は春になれば草が茂り荒れ果てたも同じだ
時に感じてしまえば花に涙を注ぐほど悲しく 今生の別れだと聞かされると鳥にも心を驚かせてしまうほど恨めしい
戦乱を知らせる烽火は、3カ月にわたって続き 家に届く手紙は、まさにお金に代えがたいほどの価値がある
私の頭の髪を掻けば、冠を止めるピンすら届かない まさにすべて耐えなければならないのだ。
となっております。その1節を松尾芭蕉は、記憶していた事のようです。
 
それから、350年。この地域が、人類の宝となるまで10年、一時、2006年に日本政府のお墨付きをもらってから、2008年にいったん外される憂き目にあってから、本年となって登録と言う事ですから、そして、これは震災の復興の象徴としてのお墨付きをもらったと言うことですので、東北の力になると言えるかもしれません。
 
最後に1句。
 
夏草や 世界に薫る  金色寺
 
以上です。
 
 

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