近鉄団体車両撮影ツアー 22

本日の話題の2本目は、「鉄タビ」から「近鉄団体車両撮影ツアー」の第22回、解説はついにトリを飾る今を時めくあの車両です。という前に、撮影はどうなっていたのかといいますと。
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青山町駅踏み切りで撮影していたのですが、12402編成が通過していきました。直後に、
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22000系と12200系の大阪上本町駅方面に向かう特急(乙特急)が通過していきます。そろそろ、駅に入らないといけませんね。それでは解説に入ります。

さて、
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平成21(2009)年に汎用特急専用車両の22600系を登場させた近鉄は、その後、20年ぶりの式年遷宮が、4年後に迫っていたこと、そして世の中は、22600系の登場の前年に、リーマンブラザーズのサブプライム問題による倒産で、「リーマンショック」の影響もあり、近鉄首脳陣は、新しい車両を作る余裕があるのか、悩んでいる状況にありました。しかし、これまでの4回の式年遷宮に、最新型の特急車両を登場させて来たことを考えてみると、この4年後に、出す車両はどうしても「フラッグシップ」の要素を強め、その車両を世に出すことが出来れば、集客アップにつながると考えていたのです。
そのころに日本社会自体で直面していたのが、この3点でした。
1点目は、少子高齢化の問題。2点目、モータリゼーションの発展問題。3点目は、乗客の鉄道に求めるサービスの多様化の問題。
これらを踏まえたうえで、3点のテーマを決めます。
1点目は、移動手段からそのものを旅そのものを楽しむ。2点目は、乗ること自体が楽しい列車とする。3点目は、移動時間自体が楽しみになる車両。
そして、地元の関西と中京、そして首都圏でのインターネット調査の結果を受けて、定めたコンセプトが4点。
1点目は、より快適な座席空間。2点目は快適なシートの製造。3点目は、多種多様のニーズにこたえる客室を備える。4点目は気持ちよく乗車していただくための設備とサービスの充実。
となったわけです。
そのために、近鉄では史上初となる前面展望式ハイデッカー車両のデザインを意図していました。しかし、この構想は、戦後間もないころにも提案されていたのですが(昭和27{1957}年1月の近鉄社内誌『ひかり』に)、その方式は「ビスタカー」で実現したので、以降50年間もの間、議題に上ってきては立ち消えになってしまいます。
そして、昭和53年登場の30000系「ビスタカー」、平成6年に正式登場の23000系「伊勢志摩ライナー」に続く、対伊勢特急車両として平成25(2013)年3月に登場した列車こそ、
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標準軌規格対伊勢豪華高速輸送特化型特急専用車両50000系「しまかぜ」となりました。
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(Kt23106F)確かに、この50000系には大きな特徴があります。それは、僕たちの列車定員と比較するとわかるのですが、ナレーターさんも「豪華」という名称を付けたくらい、定員数が少なくなっていて、私たちもこれを聞いた時には、驚いて思わず「じぇじぇじぇ!」と叫んでおりました。

その分、通常の建造費の数割上乗せという豪華仕様ですし、確か2編成で37億円という価格になっていたようですし、
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(Kt21102F)僕たちとは比べ物にならないくらい手をかけていたみたいですからね。

そうですよね。ほかの車両からしてみれば、この差は大きいのも無理はありません。しかし、裏を返してみると、それは近鉄首脳陣の狙っている客層があったからでした。実は、プレミアムシートを装備した「しまかぜ」の料金を実際に見比べてみますと、通常特急の場合は3920円ですが、「しまかぜ」には特別料金として1050円が加算され4970円となり、片道に5000円をかけるという計算になります。つまり、「しまかぜ」を往復で使用する場合は10000円は軽く吹っ飛ぶという計算になりますから、この時点で、通常の旅行客を相手にするのは考えにくく、団塊の世代などの比較的に上質な旅を求めている顧客を狙ったものが多いのが特徴です。
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考えてしまえば、近鉄の主要ターミナルとなっている3か所、つまり、大阪難波駅、名古屋駅、京都駅(本年10月に投入予定、つまり、翌月です。あと2週間ほどあります!)から伊勢方面への豪華特急として、運転されているというわけです。
それは、主に団体パックツアーの利用も考慮されております。たとえば、「しまかぜ」がデビューした平成25(2013)年は、伊勢神宮の式年遷宮と同時に、出雲大社の式年遷宮(60年に一度)であったことから、2社の「コラボレーション」を行った企画を立ち上げ、そこに「しまかぜ」とJR西日本長距離寝台列車のスターの存在となった「トワイライトエクスプレス」を使った「ダブル大社参り」を敢行して有名となりました(その話については「団体列車座談会 下」による対話みたいな記事で、お楽しみください)。
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実は、この経験をもとにして、京都駅始発の「しまかぜ」が走り始めます。それを考えると、これも、起こるべくして起きたことなのかもしれません。

まあ、そういうことで、解説は18にわたりました(なお、南大阪特急車両については16000系以外は省略しました。「解説おまけ」で少し触れようかと思います)が、肝心の撮影は、まだまだ終わっておりません。ということで、次回は「23・24」はその帰り道などの話をして行きます。それでは。

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