再び吉野へ 08 歌舞伎の舞台でもある吉野とは。

本日の話題の2本目は、「鉄タビ」から「再び吉野へ」の第8回。

この吉野について、昨週の水曜日に、文楽について、紹介していなかったので、お話しします。実は、「桜咲く? 吉野のめぐる初詣タビ 15」で、漫画「咲ーsakiー」について、触れたのですが、今回は、ほかの作品についてお話しします。
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さて、「07」で紹介しきれなかったのですが、吉野は歴史の舞台となるのは、平安時代にまでさかのぼっていきます。
この時、源義経の西国落ちという出来事が起こります。文学面では、その前の『万葉集』(天武天皇の時代から編纂が始まっています)でも有名だったといわれており、また『古今和歌集』でも、同じことがいえたわけです。
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その中で、歌舞伎などの演劇関連で「義経」との関連として取り扱ったのは、延享4(1747)年に初演を迎えた「義経千本桜」です。タイトルについては、義経が主人公ですが、狐の家来が登場するというファンタジー要素を取り入れた作品…ということになりますかどうか…、それはさておき、「物語の要素と事実」が異なるという部分があります。
それは、義経が、平家を滅ぼした場所を、物語上では、「屋島」という話になっておりました。史実は「壇ノ浦」です。西暦1185年、元号に直すと元暦元年となるこの年ですが、壇ノ浦の合戦で平家が滅亡しているという部分があります。
おそらく、著作の竹田出雲氏が、面白くするために、あらすじを変えた可能性もありますが、不思議なことに、この狐が出てくるというのも、「名」ならぬ「迷」要素でもあります。
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一行が訪れた場所に、「伏見稲荷」が存在していたことも関係していますし、そもそも、伏見稲荷大社の扱う事柄は「商売」、しかも興行となれば、商売の神様と切っても切れない関係にあるといえます。

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(Kt1641F)ナレーターさん。伏見稲荷の化身、狛犬の代わりに、狐…。『稲荷コンコン恋いろは』も伏見稲荷が舞台のファンタジーですから狐つながり…。
(N)そういう、要素とも絡んでくるというわけですね。つまり商売繁盛も絡んでいるというわけですな。

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それはそうと、『義経千本桜』では大まかには、義経と頼朝の離間策によって、元治勢力を弱めようとした後白河院の罠に落ちた義経は、西国に落ち延びようとしたところ、偶然に平知盛がその事実を知って、義経の暗殺を企てるも失敗します(知盛は壇ノ浦合戦で船の碇を背負って入水したといわれております{ちなみに、この話は『義経千本桜』の「大物浦の辻」で、再現されているそうです})。
そして、平維盛(史実は「一ノ谷合戦」で熊谷直実に討たれております。その生涯は、能などの様々な作品の題材として知られております)の行方を追って、吉野を経て高野山へ向かった途中に出てくる場所が、
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下市口という町です。そして、後半は吉野山が主な舞台となっていきます。
実は、今でも、その話の中でモデルとなった場所があります。それが下市口にあるお寿司屋さん「釣瓶鮓屋」も舞台となっている段があり、周りの地域にはそういった作品のロケ地というのは大げさですが、舞台として現在も知られているというわけです。
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ということで、今回は、少し旅を離れて、「文学散歩」みたいな形になってしまいました。次回「09」では、帰り道がどうなっていたのかをお話しします。それでは。