新シリーズ 平和と戦争の間で揺れた日本 03-6 「安保と憲法で揺れた時代」

本日の話題の2本目は、「歴史もの」から新シリーズの通算第10回です。

吉田茂氏を首班とした内閣が、6年も続く中(戦後で言うと、佐藤栄作氏についで戦後3番目の長さを誇る)、各法案が通され様々な改革が打ち出された中で、現在の法制度に通じていく法案が通っていくのが、このころです。
実は、現在の警察制度、教育制度の基本的な部分が、個々にて形成されていくのですが、日本の戦前回帰が始まっているいるのではないかと指摘される様になってきました。

中でも、警察の諸制度については、いろいろと議論がたくさんあったために、吉田内閣の倒閣にもつながる出来事となりました。理由は、「国家警察化」への道を進むという事からです。
この法律は「改正警察法」と呼ばれるもので、実際に、「警察法」が昭和22年成立していたのです。これを改正して、法律の中身は4項目あり、自治警察組織と国家警察組織を分離し、公安委員会の設置、さらに警察組織を統合して都道府県下で管理する組織(都道府県警察組織)へ、同時に警察庁を設置して中央集権体制への移行(これまで、各自によって統率されていたことがここから読み取れるとのことです)という内容でした。
ところが、これが吉田内閣としては誤算といえるべき事態が起こります。それは、野党側が議決の延期を求めたことです。実は、この法案自体は戦前への回帰を象徴しており、そのことを考えると、野党側から見れば、これ以上論議をしないで法律を通すのは難しいという主張です。
結局、この「警察法」を見てもわかりますが、戦前へと回帰しないと生き残れないという、アメリカ合衆国側からの要求や、周辺国の状況が法律制定を急がせた理由ではないのかと、私は考えてしまいます。

その中で「平和への進展」「戦前回帰阻止」「逆コース化阻止」を中心とした運動が盛り上がっていくことになります。同じ年の3月1日、つまり、「自衛隊法」が議決される3か月前、太平洋上にあるビキニ環礁周辺を航行中の漁船「第五福竜丸」が通過中に、水爆「ブラボー」がさく裂(この時、旧日本海軍戦艦などが集められ、これによって廃棄されたそうです)、この第五福竜丸を始めとする数百隻の漁船が被曝、またロンゲラップ環礁などにも死の灰の降灰があり、2万人以上が被曝する事態が発生します。これはアメリカが核実験で引き起こした最悪の被曝事故で、現在もビキニ環礁周辺の島々に帰還できない事態が続いているそうです。
(この周辺付近には、第5福竜丸などがいました)
実際に、平和運動が広がる中で、反核運動も盛り上がりを見せ、翌年の昭和30年に「原水爆禁止世界大会」の第1回が開催されるということになっていきます。同時に、平和憲法を守る、基地問題の解決と言った運動も盛り上がりを見せることになっていきます。
こういった、世界情勢の変化、さらに、日本国内の状況の変化などが盛り上がりを見せてきます。
その中で、吉田内閣の倒閣の動きが加速、保守層の強化を目指して、自由民主党の結成が促されていきます。その話については、次回「03-7」で、その話をお届けします。それでは。