新シリーズ 平和と戦争の間で揺れた日本 08-7 「アメリカ合衆国の協調と憲法で揺れた時代」

本日の話題の2本目は「歴史もの」から「新シリーズ」の第59回、明週で第60回に到達するのですが、今回も昭和55年以降続くお話をしています。

さて、最後の民営化公団として登場した「日本国有鉄道」の現場はいったいどうだったのか、それを示すお話が、実はある漫画に残っております。
そのお話とは、『カレチ』と呼ばれる漫画です。この第5巻は、「国鉄民営化」の流れを作っていくきっかけみたいなものがありました。それは、国鉄職員(車掌・運転士はもちろん、保線職員等がいました)のある不祥事が、明るみに出たということから始まっております。

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しかし、現場からは、どう見られていたのか、実際いうと、列車を走る路線では赤字を垂れ流している路線が多かったのではなく、実際に言うと、現在の虚偽申告と呼ばれる話が問題となったわけです。

国鉄職員が、カラ出張などをしていたことを週刊新潮などにたたかれ、実際に、テレビ番組で、討論会を開いて、国鉄の体質をたたいていたといわれております。
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しかし、国鉄改革の実質的な審議を開いた昭和57年、その年の4月創刊の『現代』では、会長の加藤寛氏が「国鉄はつぶすべきだ」と述べております。さらに参与の屋山太郎氏は、「国鉄労使国賊論」を『週刊文集』で発表させており、7月30日に、第二次臨調は基本答申で「国鉄は5年以内に分割民営化すべき」と正式表明し、正直に言うと国鉄の解体に動き出すということになっていくのです。
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しかし、そう考えると、サービスが悪くなるという実態から国鉄を改革することを志していく。有識者たちは、一度つぶして再生させることが大事…。何かと似ていますよね。
これから20年後の「郵政民営化」もこの手口に似ております。考えてみると、日本国有鉄道の改革は、以外にも、政府が今後もとる民営化プロセスの一つといえるのかもしれません。

実際に、昭和45年以降、国労や動労が中心となって起こしたいわゆる遵法闘争は、国鉄のサービスの低下につながり国民の怒りを買い、上尾事件首都圏国電暴動などが起こるという事態を招いたことを考えると、職務怠慢があったのは事実であり、それゆえ意識改革を行ったほうが良いという考え方が先行していたのも事実です。
同じ問題を同時期に抱えていたのが、遠く海を隔てた鉄道発祥の国、イギリスですが、この国は、日本の国鉄改革から10年後の平成2(1990)年に、民営化を行う決議が、当時の首相ジョン・メージャー氏によって始められ、事実、平成7(1995)年に国鉄民営化に移ります。
ただ、イギリスと日本で大きく異なったのが、運営する企業体をどうするのかという問題で、日本では各地方の路線並びに、車両と車両運行を管轄する企業が同じだったのですが、イギリスでは、路線と、車両、車両運行を管轄する企業が分かれており、様々な弊害が現れたという事例もあります。
ただ、日本とイギリスでは、かなり鉄道技術で差があることからそれらを単純に比較するのは危険だといえるのかもしれません。

ということで、次回は「民営化」以外で、冷戦終結期の日本の事情と、右傾化していった日本について取り上げます。また、このシリーズは、今後週に1度から、2週間に一度のペースで記事を掲載する予定です。この場を借り増して、お知らせ致します。

それでは、次回をお楽しみに。

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