近鉄鉄道祭り’15 「GO GO Rail ways! 近鉄ライナーズ」 07

本日の話題の2本目は「鉄タビ」から、「近鉄鉄道祭り’15」の第7回です。

さて、解説の続きから入りましょう。
昭和23年3月31日に、満員の乗客を乗せて奈良駅を出発した724列車大阪上本町駅行き急行は、生駒駅を出て孔雀坂駅手前でブレーキをかけたのですが、どう動かしてもブレーキは利かないまま、どんどん速度を増していく状況に、運転士は「申し訳ありません。この列車は停車できません」と泣いて詫びることに、ほかの乗客はどういう対応をしたのか、そして二人がたどった運命はどうなったのかについての解説です。
さて、国鉄浪花貨物駅助役の藤村氏は、最初に、こう叫んで乗客に声をかけました。

「手ブレーキだ!! 手ブレーキをかけろ!!!」

と、これを掛け声に手ブレーキを必死になって回し始めます。
(こちらはコキ106型「Wikipedia」より)
これを回し始めていきます。しかし、この他の人たちは、固まろうとしますが、この時に、再び藤村氏が、こんな指示を出します。

「窓ガラスを割れー!! 頭伏せろー!!!」

このため、先頭車両にいた乗客は、そのまま頭を伏せます。その場合の被害が少ないと教わったためでもあったそうです。ブレーキがかかっていた状態でありながらも坂のために減速効果は、まだ出ない状況で、列車は35‰の坂を下ってきておりました。
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ところ変わって、瓢箪山駅。この瓢箪山駅を通過する列車が…、前を走っていた準急が通過する直前、近鉄の運転指令室から、緊急の電話(有線)が入ります。
≪724列車(急行)が石切を通過して暴走中! 至急通過する752列車(準急)を退避させよ!! 繰り返す!!! 至急退避させよ!!!≫
当時の駅員は、この情報を聞き、とっさにポイントを待避線方向に切り替えます(画像では右端の線路がそれ、【Wikipediaの『瓢箪山駅』より】)
752列車も実は、724列車と同じように木造車体を連ねた車両で、後方の列車と衝突すれば、事故の2倍以上の死傷者を出した可能性があり、これはなんとしてでも避けないといけませんでした。
ゆっくり入ってくる列車に、焦りを感じる駅員、心中では
(頼むから、早く入ってくれ!!!!)
と祈る気持ちで、何とか入ったのを見届けた後、駅員はポイントを元に戻し、通過列車を待ちますが…。
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列車は、最高速度100キロで同駅を駆け抜けて行きます。この当時は、臨時駅且つ休止状態だった東花園駅(復活時の駅名は『ラグビー場前』駅)は通過していたため、瓢箪山駅の次が河内花園駅なのですが、この駅にはその前に出ていった774列車大阪上本町駅行き普通が停車中でした。これに使用されていた車両は木造ではなく鋼鉄製、素材の違いがあったものの、衝突すると危ない状況には変わりがありません。
(774は大丈夫だろうか…、間に合わなかったら覚悟しておこう…。)
と考えたのも無理はなかったはずです。
それもそのはず、全車両の窓ガラスは割れており、この時点で諦めていない大倉庄太郎氏は、そのまま、手ブレーキを必死に回しておりました。そのあいだに、大倉庄太郎氏と山本巡査の間に会話があったのかどうかわかりません。ただ、山本巡査は最後に…。

「もう間に合わないぞ!! 君は、床に座ったほうがいい!!!」

と声をかけたそうです。しかし、その声を無視して、彼は必死に、手ブレーキを回し続けました。そして午前7時51分(52分とも)、河内花園に停車中の774列車に追突、その時の衝撃で木造車体は粉砕されてしまい、49名の死者と、282名の負傷者を出す惨事となってしまったのです。
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先頭に乗って必死になって列車を止めようとした21歳(現在でいうと3年目、または新入社員か?)の運転士はあごの骨などを折る重傷。大倉庄太郎氏と山本秀二巡査は、山本巡査は足の骨を折るという九死に一生を得るという状況下で救助されます。しかし、隣の大倉庄太郎氏はブレーキハンドルを持ったまま絶命。二人の対応が生死を分ける結果となったのは否めません。
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結局、昭和22年度末に起きた事故は美談として語られたものの、当事者にとっては、まさに地獄を見た思いだったのは間違いないのかもしれません。
工場生産が回復するのは、この直後のことですが、もっと早く間に合わせたら…。という悔いが残ったのは否めないと考えることも、できたのかもしれません。

さて、次回の解説は、その事故が発生した原因に迫ります。
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ということで、撮影を再開し、今度は工場内に入りました。工場に入ってから目にしたのは近鉄名古屋線で走っている1000系1007編成です。3両編成の車両ですが、お色直しの途中で、ラッピングを外しているところですね。
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続いては、頭だけのネタですが、こちらも塗装の変更を行っている2623編成ですね。そのお隣は…。
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2410系2426編成のマスコン操作体験ブースでした。連結器が覆い隠されておりますね。危ないからでしょうね。
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そして、12410系12412編成です。これは整備終了というところでしょうか…ク12512型は確か喫煙室が設けられているという話を聞いたことがあります。

ということで、次回「08」は、工場の見学と、解説はなぜ暴走事故が起きたのか、原因に迫っていきます。

ここでお知らせですが、この「鉄タビ」に関しての記事は、実際問題の関係上金曜日の記事がずれる可能性があります。皆様方にはご迷惑をお掛けしますが、なにとぞご了承いただきますようよろしくお願いしますm(_ _)m。
それでは。