支援活動に使うことができたITツール。その光と影…。

本日の話題の2本目は、「がんばろう熊本【熊本大地震関連】」の記事からとなります。今回のテーマは、ブログと同じくITツールを使用した光と影についてお話します。

4月16日に起きた本震から、本日の午前1時25分で、ちょうど2週間が経ちました…昨日は、大分県を震源とした震度5強の地震が襲っており、大分県は再び自身の恐怖にさらされているという事態となっております。

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今回の話の舞台はネット上のお話ですが、一昨日の記事の続きとも関係してくるお話です。「続:義援金の窓口って…どこに行けば…(-_-;)。」でも取り上げておりましたインターネットツールの「微信(weixin)」というSNSを使用して、支援を名乗りあげたという例をご紹介したのですが、今回の震災では、Google、Facebook、Twitter、LINEといったSNSツールを活用した支援の輪が広がっていることが明らかになってきました。今回は、毎日新聞社発行の電子版4月29日午前10時配信の記事から、そのお話を紐解きます。

3年前の東日本大震災より、迅速な対応が取られた今回の地震対応、その中でアンドロイドといった携帯端末を開発しているGoogleは、大手の通信会社と連携を取って安否確認サービスを展開し、行方不明者の安否確認などに生かされたと記述しております。
そもそも、Googleがこの安否確認に力を入れたのか、その背景には、平成17(2005)年アメリカ合衆国ニューオーリンズを襲ったハリケーン災害が関係しておりました。記憶にあるお方も多いと思いますが、あの「カトリーナ」災害です。この時に、Googleが開発したのが「パーソンファインダー」と呼ばれるソフトで、これは東日本大震災発生以後に、ボランティアの避難署名簿作成及び、警察、消防といった公共捜索機関の情報などの登録に活用された実績を残しております。
この「パーソンファインダー」というアプリケーションは二つの機能を持ち、一つは、安否を確認したい人の氏名の一部、または、電話番号の登録において、安否確認を行う機能と、もう一つは、自分の名前を記すうえで、最後に見た場所、メッセージを登録する伝言板の機能を持っているという特徴があります。
今回の地震では、その機能を多くの人に、認識してもらいたいという考えから、モバイル大手3社、NTTドコモ、AU、ソフトバンクとの提携を行ってリンク(ネット用語で、実際には「鎖」の意味があります。つまり、それぞれの会社のホームページと、連動させることによって、多くの人に、見てもらいたいという意図が含まれております)を張って、登録情報を共有できる環境を整えることが目的といわれております。

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続いては、Facebookの取り組みです。Facebookからは、地震などの大きな災害、テロなどが起きた場合、『災害情報センター』と呼ばれる専用ページを立ち上げております。前例として、昨年11月に起きたパリ同時多発テロで立ち上げた対策本部を立ち上げたのが最初です。
Facebookをやられているお方なら、一度、見に行ったことがある方がいるかもしれません。
さて、その成果はどうなったのかといいますと、前例のパリ同時テロでは、410万人が無事を伝えたとされております。実は、今回、初の試みといわれており、今回の地震の発生以後どうなったのか、この例を見ていきます。九州の利用者に安否を確認する通知が届き、そのボタンを押すだけで他のフェイスブック友達に安否情報が発信できる仕組みとなっております。
その声を、南阿蘇村で農業を営む大津さんに毎日新聞社が取材したときのコメントから拾ってみます。

「とても役立った。ただ、フェイスブックの場合は、誰かが『こんな物資が必要です』と投稿するとそこに集中してしまうという事態が生じたので、誰かが『送ります』と書いたらリストから消えていくようなサービスがあったらいいと思った」(原文抜粋)

という形で、好評結果を得ております。

Google、Facebookの取り組みを見てきましたが、日本生まれの「LINE」は、少し厄介なことになります。
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実は、地震発生から10分後に、無料通話となったわけですが…この措置が、専門家から叩かれている状況なのです。それは、電話回線の混雑に輪をかけるという事態を起こしやすいという非難です。
実際に、「LINE」が使用する電話回線を無料通話としてしまうと、本当に通さなければならない通信ができない可能性が高いと、国立情報研究所の佐藤一郎教授は毎日新聞社の取材に対して答えておりました。
彼は、その理由を2点挙げております。

  1. 災害時に通信を増やすと、救急などの重要な連絡が滞る危険がある
  2. 発生直後は通信各社の被害状況が分からなかったが、もし被害が大きかった場合、さらにつながりにくくなる
そして、「LINE」の運営会社の対応に、「被害状況の把握なしに『無料通話』としたのは、逆効果で把握した後で『無料通話』の措置を出せば、無駄な通話を抑えることができた」と指摘しております。

ほかにも、大学生のボランティアが活用したウェブブラウザマップでは、カーナビ情報を使ったトヨタやホンダの被災地の道路通行実績情報を筆頭に、Googleも同じく地図機能で通行の有無などを表示するなど、
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様々な場面で活躍しております。

さらに、ボランティアがまとめた地図もネット上で、有効機能を発揮しており、まさにネット通じての支援活動が活発化していることを目の当たりにします。

これを、東日本大震災の被災状況をまとめた「東日本大震災アーカイブ」や、各地の被害など台風情報をまとめた「台風リアルタイムウォッチャー」を制作した首都大東京准教授(メディアアート)渡辺英徳さんはどう見たのかといいますと、「俯瞰的な視点を得るのには有効」と歓迎する一方で、
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課題となっている点もあると、分析されております。渡辺さんがあげたのは、次の3点(以下原文抜粋後箇条書き)。
  1. マッピングされた地図を見つけて情報を得るにはスマートフォンなどを使いこなす一定のスキルが必要
  2. ある日の情報を網羅しても翌日には役に立たない可能性があるが、ボランティアの場合、集約した情報に対してどこまで責任を負えるか難しい
  3. 実際に活用されたのか分からないことが多く、利用者の声を反映して改善しにくい
というものです。確かに、マップなどを指定するには、ある程度の知識は必要となりますし、それに、日に日に変わる現場で、以前の情報が役に立たない事態も起こるのが現実です。

こういったことを見ていくと、支援をしていくうえでネットの活用方法が大きく問われることになったのは、この地震が初めてなのかもしれません。地震が収束するのか、わからない中で、私たちが応援できるのはネットということにほかなりません。

こうして、エールを送り続けること、そしてそのエールを、熊本・大分の両県の被災者に届けることではないでしょうか…。私にはそう考えてしまいます。

そういうことで、本日はここまでになります。次回記事は、ゴールデンウイークのため、しばらくお休みをいただき、5月9日に再開する予定です。それでは。