過去からの悲しみの声を聴け! -水俣病問題が及ぼす影響とは― 下編

本日の話題の2本目は、「がんばろう熊本【熊本大地震関連】」から、「過去からの悲しみの声を聴け! -水俣病問題が及ぼす影響とは- 下編」をお送りします。

さて、このような水銀汚染土壌が液状化現象において、噴出する危険性がいったいどういうことを招くのか、そのことを今回のお話で検証していきます。

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実は、本年の5月1日は奇しくも、水俣病の公式確認から60年に当たる記念する日となりましたが、同じ「週刊朝日」の4月29日号の記事で、写真家の小柴良一さんは、水俣病患者の『今昔』を追っておりました。
小柴さんが、水俣病患者と向き合ったのは昭和49年の初夏、被写体となった患者たちと親しくなったというそうです。そこで、40年を迎える今、自分たちの記録を残してほしいと考えておられ、その画像を「笑顔」という形で収めようとしております。

今回の一連の地震で、再び水俣病患者が発生する事態を避けるには、一体どうすれば良いのかという問題が付きまといます。環境化学を研究されておられる熊本学園大学教授の中地重治さんは、

「湾内の水銀ヘドロを浚渫して埋め立てたエコパーク水俣も安全とはいえません。大きな地震が来たら液状化し、埋め立ててある水銀が噴き出す恐れがある。湾と埋め立てた水銀ヘドロを隔てている水中の鋼矢板にしても寿命が50年と言われる中、すでに33年が経過して耐久性が不安です。エコパークを管理する熊本県は調査をしっかりとやり、データの公表を含めた対策を取る必要があります」

と指摘します。どういう事かといいますと、
実際の水銀ヘドロがたまっている水俣市の「エコパーク水俣」は残渣プールとほぼ同じ規模を持っているとされております。
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しかも、地震の液状化で噴き出す可能性は、高いとされており、熊本県も昨年4月にまとめた老朽化検討員会でも、

「最大級の地震で地盤が液状化し、水銀を含んだ埋め立て土砂が地表へ噴出することも考えられる」(原文抜粋)

という報告がされておりました。この地域の耐久年数は50年、そして本年が運用開始から33年となり、老朽化が進んでいるのは事実といえますが、水俣湾内のボーリング調査では、水銀の濃淡があることから想像するに、埋め立て地の中で水銀の移動ということが起きているとも考えられます。

尚、水俣市の取り組みと同様の形で、工事が進められた場所として、山口県徳山市(現在の周南市)の例があります。徳山港埋立地の構成にも使用されており、同様の地震が起きてしまえば、液状化現象によって、汚染された土壌が噴き出す可能性は高いということを考えていかねばなりません。

このタイトルの通りですが、「過去からの悲しみの声を聴け!」という言葉が似合うのかもしれません。人間の英知を結集し、温故知新という言葉をかみ砕いて、今後の生活に役立てるという心構えをしていかないといけないのかもしれません。

この3回にわたりまして、「水俣病」と、今回の一連の地震がつながるかもしれないということを、お話しました。皆様はどうお感じなったのでしょうか…。

考えよう、答えはある。

どうすれば防ぐことができるのか、どうすればなくせるのか、議論を重ねていき、行動を起こすことが必要だと考えます。皆様のご意見をお待ちしております。

ということで、次回は、ある女子大生のお話です。実は、彼女は2度も大地震を経験しておられました。今回の一連の地震と、あとはどこかといいますと…それは、次回の記事でお話しましょう。次回をお楽しみに。それでは。