災害利息免除って何か? 前編

本日の話題の2本目は、「がんばろう熊本【熊本大地震関連】」から、「災害利息免除、国が難色 援護資金特例」の記事を基に、「災害利息免除って何か?」を前後編にわたりお届けします。

本日ですが、熊本地震(前震)の発生から5か月がすでに経過しておりましたが、本格的に復興が開始されておりますが、今回のテーマは、「災害利息」についてのお話です。実は、正式名称は「災害援護資金」にある「利息」の免除というものですが、熊本県側がその特例措置を求めているのに対して、政府は、「大震災とまでは言えず、議論が必要」と否定的な見解を示しており、識者側からは、「どんな災害であっても、差別化せず、同条件で許可をするべき」と、法改正を促す意見が出てきて、真っ向から対立する構造となっているというのです。

今回、取り上げる新聞社配信記事は、9月12日付の毎日新聞社配信のものですが、その内容を見ていくと、本年4月14及び16日に発生した2度の地震で、被災された方々に利息免除という形で、「災害援護資金」を熊本県は要求されております。
これは、「災害弔慰金の支給等に関する法律」に基づいて、運用がなされておりますが、詳しいことがあまりわからないという方が多いと思いますので、この法律についてみていきます。
「災害弔慰金の支給等に関する法律」とは、昭和48年9月18日に施行されたのですが、この法律には、パターンが3つ用意されております。一つは、「災害弔慰金」、二つは、「災害障害見舞金」、そして、今回問題となる「災害援護資金」です。
「災害弔慰金」と「災害障害見舞金」は、亡くなられたお方や、障害を負われたお方を対象とするものです。この場合の条件は、下に書き出すものが対象となっていきます。ちなみに、金額についても併せて記しておきます。

(2)対 象 災 害  自然災害(弔慰金、障害見舞金とも共通)

1.1市町村において住居が5世帯以上滅失した災害 
2.都道府県内において住居が5世帯以上滅失した市町村が3以上ある場合の災害 
3.都道府県内において災害救助法が適用された市町村が1以上ある場合の災害 
4.災害救助法が適用された市町村をその区域内に含む都道府県が2以上ある場合の災害

(4)支 給 額 (弔慰金の場合)
ア.生計維持者が死亡した場合 500万円 
イ.その他の者が死亡した場合 250万円

(4)支 給 額 (障害見舞金の場合)
ア.生計維持者 250万円 
イ.その他の者 125万円

(厚労省ホームページより抜粋)

となっております。主に、亡くなられたお方の残された家族、さらに働き盛りの方々が働けなくなるほどの障害を負うことを前提とされておられるため、金額設定が高いことがわかります。

今回、問題となっている「災害援護資金」は、趣旨が異なっており、負傷したり住宅が全半壊したりした被災者に、貸付を行うという制度であるため、金額は低く設定されております。それが下に書き出すのですが、

① 世 帯 主 の1か月以上の負傷:150万円  
②家財の1/3以上の損害:150万円
(①と②両方の被害が出た場合は250万円)
③住居の半壊:170万円(最高限度額250万円)
(①から③まで含めた被害の場合は270万円から350万円まで) 
④住居の全壊:250万円(被害が大きい場合の最高限度額は350万円)
(①から④まで含めての被害があった場合は最大限度額350万円)
⑤住居の全体が滅失、若しくは流失:350万円 

(注)被災した住居を建て直す際にその住居の残存部分を取り壊さざるをえない場合等特別の事情がある場合は( ) 内の額

(厚労省ホームページより抜粋【構成を一部変更】)

となっております。

それで、熊本県が求めたのは何かといいますと、「災害利息」を「0パーセントにしてほしい」というものです。どうしてなのかというと、答えは、「災害援護資金」の「利息」の項目にかかれています。
それが、

(6)利 率 年3%(据置期間中は無利子)

(厚労省ホームページより抜粋)

というものです。つまり、負傷者150万円の給付金をもらった場合は、3パーセント利子を国に返すということになるので、4万5千円を10年間返していくことになるのです。合計すると、45万円の金額を払うことになっていきます。ただ、かっこ書きがされており「据置期間中は無利子」と書かれているところを見て、「なんだ、返さなくていいではないですか?」と、思われた方もいるかもしれませんが、その措置に関しての規定では、最低でも3年、特別な場合に限り最高5年までの期間しか認められていないということなのです。

では、どうして、利子をつけなければならないのか、それを別の角度で調べてみると、面白いことがわかってきます。それが、平成16年度から平成26年度までの「災害援護資金」の予算と決算報告書です。
それを見てみると、一般会計の予算金額は、最低2億円から、最高3億8千万円までとなっており、5年前の「東日本大震災」では、補正予算に34億円が組まれ、結果的には、19億6千万円を決算として計上されているという報告が上がっているといわれております。

そこから考えてみると、未曽有うの大災害だった「東日本大震災」に匹敵する今回の地震、それに対して、この措置が妥当なのかどうなのかを検証する必要はありそうです。

次回は、その後編ということで、過去の災害では、どういう対処がされていたのかについて、2例を上げて比較してみます。1例目は「東日本大震災」ですが、2例目は、21年前の「阪神大震災」の当時どういう状況で対処したのかを掘り下げていってみます。それでは、次回をお楽しみに。