タイトル:一章 主要都市広州 10

しかし、一美は剣をもらった出来事について何も言おうと思わなかった。なぜなら、これ以上周りに迷惑をかけたくなかったからで、そのまま誰にも言おうとはしなかった。
それでも、このネックレスは持っておこうと、考えていた。それもそのはずで、このネックレスは他人には渡らないものだと言えるからだ。
しかし、一美の意思ですぐ剣になる事が出来るのは不思議だった。つまり、持主だからこその特権か、それはそうではないだろう。つまり、彼女が君主となれる素質があるからこそ、剣を授けてくれたのだと、一美は思ったのである。
それから、一か月がたったころ、小枝子が帰って来た。しかし、剣の話を彼女は持ち出そうとしなかった。
それで、寝ている最中に小枝子が、一美に布団を掛けてあげようとした時の事である。
「何かしら、このようなネックレス、かったことはないけれど…。」
不思議に思う反面、なぜ一美がと言う思いがあった。確かに、夢で見て一美には君主になれると言う言葉を聞きはした。しかし、その証拠がどこにあるのかは分からない。
それなのに、なぜ、このネックレスが…。それは次の日に回して、考えることにした。しかし、次の日は彼女の小学校の登校日…。それゆえ、明日どうしようかと考えたが、一美が帰宅した後に、聞いてみようと考えたのである。
一美も、母親だけには言おうと思っていた。
いつも通りに学校から帰宅すると、母親の所に行った。
「一美、ちょうどよかった。私からも話があって、呼ぼうと思ったの。」
一美の気持ちを察したのか、小枝子も何か言いたそうだった。一美は、
「実は、このネックレスの事だけど…。」
とネックレスを引き出して示した。十字架の形をしているが、それが何かを継ぎに言おうとした。
「何かなと思っていたの。何かのネックレスかなと思ったのだけど…。」
それは、と思って、すぐに言おうとした。
「これは、剣なの…。」
その時、小枝子は一瞬ネックレスを凝視してしまうしかなかった。つ、剣。そんなものが、この子供の首に掛けられたネックレスの正体とは、想像がつかない。
「そんな、つ、剣って!」
頷く一美、小枝子は考え込んだ。あの話をするべきなのか、そうではないか…。
「一美、あなたが生まれる前に、夢を見たの。」
それで、小枝子は、
「その時の夢が、あなたは…、君主になる素質があり、後々王朝を作ると言うと言う事だったわ。」
衝撃だった。全く、これはどう言えばよいか…。
「それで、母さんはね…、あなたが…本当の国王になると言う事よ。」
と言う事は…。
目の前が、暗くなってしまった。どうして、私が、皇の血筋か…。それでも、信じる気にはならなかった。なぜ、私はこう言う事になったのか。全く分からない。
定めはこれによってきまるのか、一美は心が折れそうになってしまった。

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