タイトル:第三章 北田一美 14

その頃、一美は考えていた。一美たちの兵力は広州全土を集めて、数万人になる。しかし、それだけではだめだ、と一美は考えていた。
もし、反乱を起こすと言う前提に立てば、そうなるだろう。しかし、反乱ではなく、防衛面ではそうはいかない。
だとしたら、どうすればよいか、分からない。資料と地図、そして、天面図を睨んでいた。
「福州から、軍を借りてはいかがでしょう?」
そうか、と考えるが、見知らぬ声に、彼女は驚いて、どこかを見る。その人物は前にいた。
友沢宗徳が、その場にいたのである。
「すいません。私は友沢宗徳と申します。」
顔は、まるで笑顔を絶やさない男性のようである。それゆえ、彼の顔がまるで大福様に似ていたようである。
だから、彼には好感を持てた。
「私の事を誰から聞いたのですか?」
確かに、感じる疑問だろう。
「仁部友信義様の方から聞いております。あなたは優秀な人だと聞いております。」
信義と言えば、凛と茜の父だ。その父親から、太鼓判を押されたと言うのかもしれない。
「なるほど、彼からですか。私を、その様に…。」
彼女の考える事を、どこまで知っているのか、
「聞いてみたい事があるのですが、私の事をどこまで知っておりますか?」
それを聞いて、友沢宗徳は、
「それについては、背景をしっかりと学んでおります。しかし、あなた様の考えは、それには及びません。」
確かに、本人の考えは、分からない。
「ええ、それは大きなことですが、私は、自らの民族をどのようにしていくのか、迷っています。」
その迷いをどうするか、
「迷いを振り払ってみたらよいのではないでしょうか。」
しかし、どこに…、誰に…。
「どこに、行けばよいでしょうか? 誰に会えばよいのでしょうか? それが分からなければ…、どうしようもありません。」
それを彼は、知っていた。
「ある人物に会えば、その事を、解決できるかもしれませぬ。その人物が、あなたの悩みを聞いてくれると思いますよ。」
そう言って、彼は、その場の向かいの席に座った。
「その人物は、ラフィ・エメラルディア・ソル・ライト・セイラ・ラフェリアと言う方です。」
どこかで聞いた名前だが、
「どこかで聞いた名前です。」
(どこかで、聞いた名。そうだ、その人物は龍と共に、何かを宿す者、そう、私の頭となる人物、と言う事だ。そして、彼女は、私の片腕となる。いや、片腕の一人となるだろう。片腕ではない。多くの人々を救うと聞いた事がある。そうだ、彼女にあってみよう。)
彼女は、思いつきすぐに、図書館を飛び出した。

その翌日、昭代と一美は、クリフの父親が経営するカフェで、2人であっていたのである。
「ラフィ・エメラルディア・…?」
永田らしい名前だが、実はエメラルディアが家となるのだが、他の人からは、分かりづらい名称だと言える。この名称はエメラルディアが継承されるのである。そう言えば、マシューレも、ラフィ・エメラルディア・ティム・マシューレと言う名前であり、ラフィは地名の称号である。
「その称号を調べてくれないか。名前は『ラフィ』だ。」
藪から棒にと言えるだろうか、それについて調べ始めた。
「ラフィとは、旧イタリア共和国のエミリア・ロマーニャ州パルマ県コムーネ行政区の集落の一つです。もう調べておきました。」
と声がする。それは、クリフであった。
「そうか、彼女の最初の名前は、地名から来たと言う事か、昔の集落の長だったと言う事になるか…。」
どう言った事になるのか、一美には分かった。私は「龍」を持つ人物が、自分だと言う事である。
そして、一美の迷いの答えを導き出すのではないか、それだから、この事を考えるべきではないが、ラフィの分かっているところではないのか。
一美は、どうするか、考え込んだ。しかし、それは、自分たちの民族を、再び、立ち上がらせるためには、何が必要なのか、それは、今までの不満のたまった中華族の民の力を結集させる事である。それには数年かかると一美は睨んでいた。
「彼女にあってどうするのですか? また、以前のように質問をするのですか?」
確かに、マシューレの時は、考えを聞くと言う事に終始した。
「そうではない。私の考えを、彼女に聞いてもらおうと思っている。」
はたして、うまくいくのかどうか。昭代はそう思うしかなかった。

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