"小説「虹色の十七世紀」1 下"の記事一覧

タイトル:『紅巾』軍との対決 32

その体に流れた気は、どこまでも流れ続ける河の如く、その大河は、一美の体の中で光の溢れる泉となって流れ込んでいたのである。 渾沌としていた中で、一美の背中には、一つの光の通り道のような刺青みたいなものが、うっすらと表れていた。だが、その光の刺青は、一美はそれを体に現しながらも、自分の体がどうなるのかが怖くなっていた。 一美の体は、とんでも…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 31

その日の夜中、一美は、体力の回復を待ちながら、携帯電話を見ていた。すでに、今日で11月に突入する。それにしても、ずいぶん、短い間に、一美たちは、多くの経験をしたような気がしてならない。 だから、体を動かしたいあまり、寝返りを何度も打とうとするが、それは効果のないことだと、一美にも分かっていた。 そこに、蝶子がやってくる。その音で何が起き…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 30

一体蝶子はどこにいたのか、一美たちは探していた。 (やれやれどこに行ったのか、まったくもってわからん。) 一美はそう思ったのだが、ふと気になった事がある。そう言えば、 「離れるように」 と彼女には言ってあったはずだ。 (だが、戻ってきてくれと言っても、彼女は、そこにはいないし…。) と考えた瞬間、一美の顔が変わった。 (刺客の1人少ない…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 29

その頃、クリフと小春、優香は3通目の手紙の主に、会う為にあるいた。実際には茜と一美の組みの中間地点にいる。ダウンタウンにいたのである。 「この封書だな、これに、書かれている住所を探せばよいのだね?」 と優香は聞く、それに、クリフは反応を示し、 「その通り、ここだ。」 次の大きな通りが、3通目の手紙の主の居住している場所である。そこに、足…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 28

資料を読み通し、その中から、ピックアップしたものを、2,3通抜き出して、家臣たちの手元に渡した。 「まず、手元に2通の封書がある。これが、目にとまったので、まずここから探してみよう。この2通と…、3通目、それから、これも…だな。4通目、合計45通のうち、6通の人に当たってみる。そこで、私と蝶子と凛は、2通目と4通目を当たってみる。それで…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 27

その頃、隣のコリアン半島では、騒乱が終わったのを機に、人々の生活を立て直す事業が、行われるようになっていた。その中で特に、張氏が特に権力を握っていた。 「今回の事態は、我々が想像していたよりも、ひどい事になっている。宋氏と崔氏などが反乱を起こして以来、国土が荒れてしまっている。これでは、民の不満を抑えきるのは無理がある。」 そう、『高麗…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 26

すぐ後に、一美と蝶子は、悲しみの部屋から、一旦外に出た。 「一二三殿があんな姿になられたと聞いていたが、そなたの所で、かくまわれていたのには、正直驚いた。しかも、目が見えないのだとは…。」 一美は、先ほど見た状況から、一二三が苦労を乗り越えてきたのであろうと、一美には思えた。10年前は、元気で誰もがうらやむ美男子だった彼が、このような姿…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 25

それから、1日が経ち、一美の体力は元に戻っていた。 「しかし、私は、どう言う事をしたのか、私の体が、ある程度耐えられるようになっていたなんて、信じられませんでした。」 と蝶子が、訪ねて来ていた。普通では、昼の時間帯まで、寝ている頃である。体を酷使する花魁たちは、体力回復の為に、休息を取っているものが多かった。 それにしても、彼女体力が、…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 24

その方法とは何か、一美は気になった。そして、ラフェリアが、口を開いて、その事について話し始めた。 「それは、蝶子様の体を、一美様の体で包み込み、その上で、一美様から気を送ってもらい、治癒させる事が肝心です。つまり、一美様の体から気を放たせ、それを蝶子様の体に当てて奥深くまで沁み渡らせて、体を治すと言う事です。」 つまり、龍の力を使って、…

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タイトル:『紅巾』軍との対決 23

そのまま、体の動かない蝶子を抱きとめていた。どうして、このような事をしたのかは分かっていた。彼女の仕事がどれほど、体力を消耗してまで体を酷使するのか、一美は分かっていた。 「一美様…。」 消え入るような声で、一美の体を離そうとしない。だから、一美も、温かく包むように蝶子を抱きしめていた。その温かさに、蝶子の瞼から流れ落ちた涙は、熱を持っ…

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